自転車ニシキ 多摩川ダートでパンク
気持ち良くポタリングしたい衝動にかられている。
外の風はもうすっかり冷たくなっているけど、
その風の中を、走るのがまた心地よいのだ。
多摩川沿いを走る。
遠く向うには、真っ白に雪化粧した富士山が見える。
川崎市から、多摩川沿いを走り、是政橋を渡って
当時、国分寺にあったスタジオエッグによく遊びに行っていた。
野宿ライダー寺崎勉さんの事務所だ。
往復約40kmは、いいトレーニングになった。
サイクリングロードは快適だけど、退屈ですぐに飽きた。
だからダートもよく走った。
その後、ニュージーランド・オーストラリア・ニュージーランドの
初めての長期間海外サイクリングへと旅立った。
思い出多い、多摩川沿いの道。
あの時と同じ自転車、あの時の風、多摩川。
大きく変わったのは、鈍りきった自分の体だ。
冷たい風の中、固くなった体をごまかしながらペダルを
回して進んでいく。
二子玉川の河原の風景は随分変わったな。
あちこちに花火禁止、バーベキュー禁止の看板だらけで
その看板を禁止して欲しいと思うくらい、うっとうしい。
あの川の向うのぼろいアパートはもう今はない。
風呂無し、ガスも無し、
そこから、飛び出し、死ぬ覚悟で行ったはずだったのに・・・。
今回はここまでだ。
始めっから無茶はいけない。
体はすぐにそのリズムを取り戻したけど、動きはギクシャクして
油切れの機械そのもの、息も上がりだらしない。
帰りは河原のダートを走る。
このガタガタとした動きで、サイクリングしていた頃に
すっかり頭も体も呼び戻された感じになった。
荷物もなく、軽い。
固く締まったダートは、時速20km以上出せるところもある。
前を走っている自転車に簡単に追いつけるのではないか?
ちょっと調子に乗りすぎた。
舗装路に合わせた空気圧で、タイヤは固く抵抗が少なく
スムーズに転がっていく。
プシュー、、、
ああ、やちゃったー！
典型的なリム打ちパンクだ。
きっとチューブの内側に大きな穴が空いているに違いない。
長距離を走るつもりは、さらさらなく
ふらっと出てきただけので、ポンプも予備チューブもない。
まあいいや。
こんな日もあるさ。
毎日パンクしていたあの日に比べれば、、ここは日本
死ぬ心配もいらぬ。
ぺしゃんこになったフロントタイヤをずるずると
左右に振られながら、押し歩くこと１時間以上かけて
やっと自宅の最寄駅まで戻ってきた。
走るより、押している時間が長かったけど、
気分はとても良かった。
バイクも楽しいけど、自転車もまたいいな。
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